人民月報

夢はベッドでドンペリニヨン

Fontaines D.C.

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フォンテインズD.C.

嫁がApple Musicのおすすめから見つけて教えてくれたバンド。

一聴して、アメリカのバンドではない。

UKの、でもロンドンではない。

アイルランド、ダブリンのポスト・パンクバンドだそうだ。

D.C.とは、ダブリン・シティの頭文字。

色々とネットを漁ったら、「ギターが着こなしたスーツをヴォーカルが着崩していく」みたいな論評があって、上手い事言うと思った。

インタビューを読んだら、アイルランド人であることにとても自覚的なようだ。

上手くは言えないけど、アメリカのバンドの演奏のカッチリ感や、能天気さが苦手な向きには、UK周辺の特にイングランド以外のバンドがしっくり来るように思う。良い意味でルーズというか、アソビの部分が大きいのが何か、人間っぽいのだ。

ここのところスコットランドグラスゴーのバンドばっかり聴いていたけど、今度はダブリンだ。

胸にあふれるこのリズム

先週の土曜日、大阪から、久しぶりにお会いする方々が遊びに来てくれた。俺が大阪に行くたびに、いっしょに酒を飲んだり、酒を飲ませてくれたり、お土産に酒を下さったりするすてきな方々だ。

松阪に来るのは初めての人が殆どで、ホルモンを食べたり、とっときの居酒屋へご一緒した。なかなか堪能していただけたと思う。

ふだん歩いている町や、ごはんを食べている店を面白がってもらえると、うれしいと同時になにか不思議な気持ちになる。同じように、自分みたいなモンに会いに来てくれるということも、本当に不思議なことに思える。記憶は霧の中だが、何で来てくれるんすか?とか訊いてしまったかもしれない。

お土産に、美味しいお菓子を沢山いただいた。次女が驚いていた。

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美味しいものを食べたときだけ露出する次女の眼球

次女は日曜日、ミニバスの最後の公式戦を1勝1敗で終えた。良いところも悪いところも今まで通りだったが、今後もカップ戦等の非公式戦に、可能な限りチャレンジさせてもらえることになった。コロナ直撃世代の彼女たちは、これまで試合どころか練習をする機会も限られていたので、次学年への引継ぎを卒業ぎりぎりまで引き延ばそうということだ。それでも、何も変わらないかもしれないが、それも次女たちの自由だ。

 

月曜日にはサプライズがあった。今、雄猫が罹っている病気は、猫白血病由来の悪性リンパ腫だ。この猫白血病は、家猫の場合、餌場やトイレの共有で伝染する可能性がある。まだ発症はしていないが、兄妹である雌猫にも伝染しているのはほぼ間違いないと思っていた。が、この日、病院で血液検査をしてもらった結果は陰性だった。

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すぐに5種ワクチンを打ち、副反応で2日寝込んだ

雄猫がもうすぐいなくなる悲しさが和らぐことはない。だけど、それとは並列の、パラレルワールドみたいな感情は、雌猫が健康だった喜びにあふれている。緊張の果てに笑いの衝動が襲ってくるように、人間の感情は一枚ののっぺりしたものではなく、色んな角度、色んなタイミングから容赦無く刺し込まれてくる出来事に翻弄されつづけているのだと思う。そのリズムが、生活をつくっていくのだ。

 

火曜日には、また違う種類のサプライズがあった。

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唐突に 現金書留 来る

なんと2回目の当選だ。

生活はエキサイティングだ。

「毎日はエブリデイや」と言うオッサンがいた。当時は何言うとんねんオッサンと思っていたが、今ならよくわかる、ああ毎日はエブリデイだ。

三姉妹の説明書

長女 カナ 中学2年生

犬タイプ。小1から今までバスケをやっているが、プレイスタイルを野球のピッチャーに例えると、5回3失点、10勝9敗。しかし一見冴えない成績も、毎試合必ず同じレベルで忠実に実行するとなれば、「計算できる選手」という評価になる。

スポーツも勉強も、生来の慎重な性格ゆえに、努力量でねじ伏せるストロングスタイル。

モラルの塊。点滅信号も絶対に渡らない。

口にした夢は、本人も予想しない形で叶う事多々あり。

性格に裏表なし。家でも外でも、表しかない。

酒に関しては、甘めのカクテルかフルーティ(笑)な冷酒あたりで調子に乗り、轟沈するタイプとみた。

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靭帯を痛めて通院した整形の先生の口調をコピーする長女

 

次女 ユイ 小学6年生

猫タイプ。ミニバスのデビュー戦、2試合をこなした後、コーチが「姉ちゃんと全然違うやん!」と叫んでいた。気分が乗れば動くが、乗らなければ地蔵。

勉強もスポーツも、努力せずソツなくこなすことをアイデンティティにしている。悪く言えば器用貧乏。努力して届かずに傷つくよりは、エクスキューズの余白を残しておくフシあり。

要領と勘が良く、一度言ったことは忘れないので、家事や料理は任せられる。

性格に裏表あり。家ではグウタラだが、外面極めて良し。しっかり者で通っている、らしい。

カマンベールチーズやカラスミ等を好むので、将来有望。

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俺が酒のグラスを倒すとシュバババと駆け寄ってくる次女

 

三女 ナオ 小学2年生

猿タイプ。姉ふたりは父母の性格のどこかに由来を感じられるが、三女に関してはどこからどう遺伝したのかまったくわからない。とにかくふざけた人間。

性格に裏表はないが、家でも外でも裏しか無いと評される。

咄嗟のワードセンスに光るものあり。足の着かない深さの川で浮き輪から手を離されたときの「ナオちゃんがニュースになってもいいのーッ!?」は高く評価されている。

末っ子として優遇されていることをしっかり認識している。「弟か妹、ほしい?」という質問に「いらん」と即答。

恐らく、アルコールを必要としないタイプの人間。

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松方弘樹みてーな態度でソバを待つ三女

同じように育てているつもりでも、こんなに違うんですね。うちでは、「子育て」より「子育ち」ていう感じです。勝手に、育ってく。

夢のフルーツ

三女(小2)に、一番すきな果物をきいてみた。

 

「メロン!」

そうか。

「夢があんのよ!」

ほう。

「メロンを、半分に切ってな」

うん。

「真ん中をくりぬいてな」

あー、アレな。

シャンパンを注いで」

え?

「氷と、メロンやスイカを丸くカットしたやつを浮かべて」

えー。

「それを飲むのが、夢!」

 

うん、つまり、ホストクラブへ通うのが夢ということでよろしいか?

 

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お風呂で歌う三女

次女のペース

次女は、マイペースな奴だ。

6年生になり、メンバーの中で一番キャリアが長いのでミニバスケットチームのキャプテンをやらせてもらっているが、最後の大会を前に、なかなかチーム全体の調子が上がってこない上に、キャプテンが率先して気のないプレーをしているので、先日コーチからきついお目玉を貰った。

ふだん、極力、次女と長女を比較した物言いは控えているつもりだが、この時ばかりは、長女を引き合いに話をした。

長女もミニバスをやっていたが、彼女は大概の事を努力でなんとかしてきた。スタミナに難があるので試合で使えないと言われ、冬の早朝、6時から真っ暗な中ランニングをして、体力をつけてレギュラーになった。今、中学2年生だが、英語が苦手だというので、英語だけでも塾に行ってみるかと訊いたら、「次の定期テスト1回だけ、全力で英語の勉強をして、それでもだめなら塾へ行くけど、あと1回だけは自分の力でやってみたい」という答えが返ってきた。

自分の限界を自分で決めないのは、ミニバスの経験からきていると思った。

次女にも、そんな経験を得てほしかった。長女と同じ練習をしろとは言わない、同じプレーをしろとも言わない。だけど、折角キャプテンをやらせてもらっているのだから、あと半年、全力でやり切ったと自分で思える経験を得ることができれば、この後の人生ずいぶんラクになる───そんな話をした。長女と比べたつもりは、なかった。

 

猫が、病気になった。雌雄2匹、去年の夏から飼っているうちの、雄のほうが、呼吸が苦しそうなので病院に連れて行ったら、肺に腫瘍ができていて、もう長くないと診断された。

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凛々しさは失わない

1歳半、そんな事あるんか───と、目の前が真っ暗になった次の瞬間、頭に浮かんだのは次女のことだ。2匹を飼いたいと、一番強く言ったのは次女だ。飼い始めてからは餌の世話、トイレの掃除を姉妹の誰よりまめにこなし、その流れで炊事洗濯など、家事を手伝ってくれるようになった。

猫が来てからは、感情をストレートに表に出すようにもなった。もともと、外面が良く、家の中でだけ本性を出すところはあったのだが、家の中でももう一枚かぶっていたのだ。猫を猫かわいがりする本当の姿を家族に見られ、どうでも良くなったのだろうか、よく笑い、よく喋り、表情が真っ直ぐ出るようになった。

 

次女は、ちゃんと経験を得て、成長していた。

バスケで成長する子もいれば、猫で成長する子もいるのだ。バスケで成長しなければならないと決めつけていたことがそもそも、長女と比較してしまっていたのだ。

 

次女は、猫の病気のことを聞いて、少し泣いて、今は普通に過ごしている。「泣けば病気が良くなるんなら、泣くけどさ」と言っている。バスケのことは、自分の出来る範囲で精一杯やればそれでいいと、伝えた。

 

次女には、次女のペースがある。

新庄

新庄剛志北海道日本ハムファイターズ監督就任が発表された。

名古屋のラジオ局のアナウンサーはこうコメントしていた。「日本ハムという球団は、指導力や監督としての実力よりも、ファンサービスや話題性を優先する節があります。このチームにおいては、(我が名古屋の名監督である)落合監督よりも、新庄監督のほうが評価されるのです。」

たしかに、ファンサービスという点では、落合博満よりも新庄のほうがはるかに勝っているのは間違いない。これは、監督になって急に大人しくなるものではないだろう。だけどなぜ、まだ監督をやっていない人間の、指導力や監督としての実力を、落合以下だと決めつける物言いができるのだろう。

 

新庄は、才能とセンスだけで野球をやってきたと思われがちだし、阪神時代のファンもそう思っていた。だけど、一度でも球場で新庄の守備を見ると、その印象は変わる。

初めて甲子園球場のセンターを守る新庄を見たとき、1球ごとにスタートを切る姿に驚いた。ピッチャーが投げる前に動いている。ただ動くのではなく、1球ごと違う方向にステップしている。おそらく、キャッチャーのサインとミットの位置を見て、バッターの打球方向を予測している。バッターが打つ、センターに打球が飛ぶ、観客がセンターに目をやると、新庄はとっくに落下点に向けて走っている。隣のレフトを守る石嶺和彦の、バッターがスイングしているのに両膝に両手をついて微動だにしない姿勢と好対照だった(これはこれで度肝を抜かれた)。

甲子園に行くときは、阪神のシートノックに間に合うように、少し早めに出るようになった。カクテルライトが点灯されたばかりのグラウンドの上を、丁度ストライクゾーンの高さで地面と平行に飛んでいく新庄のバックホームを見るのが好きだった。

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割を食ったのは赤星憲広だと思う。誰と比べるでもなく、ひとりの中堅手として見れば、文句なしの名手といえるセンターだ。だけど、新庄がMLBに移籍した翌年に入団し、すぐにセンターのレギュラーを掴んだので、間に誰もはさんでいないので、阪神ファンは赤星をダイレクトに新庄と比べてしまった。前と横の打球は互角だったけど、上は違った。センターの頭を越されるたび、阪神ファンは「今のは、新庄なら越されんかった」と言い続けた。

 

MLBから帰ってきた新庄は、そんな阪神には帰ってこなかった。東京から北海道に移転する日本ハムファイターズに入団し、入団会見で「これからはメジャーでもないです、セ・リーグでもないです、パ・リーグです!」と宣言した。この時点で、本当に「これからはパ・リーグ」だと考えていたのは、新庄以外にいなかったのではないだろうか。少なくとも、パ・リーグそのものに関わっている人達は全然考えていなかったに違いない。

新庄が日本ハムに入団した初年度の2004年、近鉄バファローズがオリックスブルーウエーブとの経営統合を発表し、西武ライオンズの堤オーナーは、パ・リーグでもうひとつ合併の話が進んでいるとコメントした(ダイエーホークス千葉ロッテマリーンズ)。12球団2リーグから、10球団1リーグに。パ・リーグ球団にも巨人戦というドル箱を。堀江貴文ライブドアパ・リーグ存続のためにNPBへの新規参入を表明しても、当のパ・リーグ各球団にとっては有難迷惑でしかなかった。

そのさなかのオールスターで新庄はMVPを獲得し、ヒーローインタビューで再び「これからは、パ・リーグです!」と発言した。今にも無くなってしまいそうなパ・リーグへの、これ以上ない力のあるメッセージだった。1リーグ構想を回避した転換点は、巨人渡邊オーナーの「たかが選手が」発言だったと思うが、今日のパ・リーグ隆盛、交流戦での好成績や、ソフトバンク日本シリーズ2年連続スイープ、ロッテの球団経営黒字転換、その発火点は新庄の「これからは、パ・リーグです!」だったと思う。

モヤモヤする

ラーメン屋。

「会話を控えてください」の貼り紙があるので、客は粛々とラーメンを啜っているが、店員は「チャーシューメン1丁ォ!」「あいよチャーシューメン!」「ウエイッ!」「ララララィッ!」

 

吹奏楽部。

「感染対策を徹底して活動しています」フェイスシールドの口のところに穴が開いてて、ラッパの先っぽはフェイスシールドの外側に突き出しとおる。

 

イデア商品。

「マスクが蒸れない新製品」マスクの脇に取り付けて、換気をしてくれる小型のファン。

 

イライラまで行かない、モヤモヤ止まりの案件、好きです。