おじいさんの墓参りに行くついでに、日本史のビッグネームの墓に立ち寄ってきた。
能褒野神社。主祭神は日本武尊(ヤマトタケルノミコト)。
古事記、日本書紀などによると、ヤマトタケルはここ、現在の三重県亀山市の能褒野で亡くなり、埋葬されたという。
能褒野王塚古墳は4世紀末につくられた古墳であり、当時亡くなった誰かの墓であることはほぼ間違いないが、ヤマトタケルはさすがに実在もあやふやな神話の世界のお方だ。駐車場の立看板にも「近世においてはこの古墳が日本武尊の墓という認識はほとんどなかったものと見られる」と書かれてしまっている。明治政府は神話を正史として定着させるために、日本じゅうにこういうファンタジックな史跡を認定していったのだと思う。
能褒野神社は、墓の横に後からつくられた神社だ。
実際の墓はどこにあるかというと、
かなりワイルドな参道だ。
「お墓」
もう少し、何かなかったのか?
矢印の方向にはちゃんとした石段があり、登ると
お墓はこんな感じ。
どこ?と思ってしまうが、全長90メートルの前方後円墳だ。階段も含めて、この小高い丘全部が墓なのだ。
神話が実話でないとは言いきれないし、明治政府が当時周辺に数ヶ所候補があった陵墓のうちから、的確にビンゴを引いている可能性も捨てきれない。この足の下に日本武尊が眠っている可能性を信じ、手を合わせてきた。
そのあと、鈴鹿市にある自分の先祖の墓に参ってきた。ここには間違いなく、本物のおじいさんが眠っている。