人民月報

夢はベッドでドンペリニヨン

猫が来た日

1年ちょっと前から、猫を飼っている。二匹。雄と雌。たぶん兄妹。

 

2020年7月25日。次女と三女のミニバスケットボールの練習の送迎に行った嫁から、LINEに無言でこの画像が送られてきた。

 

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察しの良い俺はすぐに察した。

 

後で聞いたところによると、ミニバスのコーチの家の玄関先に、ある日三匹の子猫が「いた」のだそうだ。どこかの母猫が産み落としていったのか、コーチの家が猫を飼っていることを知っている誰かが置き捨てていったのか、それはわからない。おそらく生後10日くらいの、出自のわからない子猫。最初に「たぶん兄妹」と書いたのも、そういうわけだ。

ともかく、すでに先住猫がいるコーチ家では飼うことができない。知り合いに声をかけたら、三匹のうち一匹は貰い手が見つかった。残る二匹を、ミニバスの練習に連れてきて里親を募ることにしたのだ。

 

察しの良い俺はそこまでは察してはいなかったが、無言で送られてきた画像の向こうから、ゴリゴリの猫派である嫁の「飼いたいねん」「どっちにする?」という声は聞こえた。

 

どっちに・・・

 

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選べねえなあ・・・

 

もしかしたら嫁も心は決まっていて、だから無言で画像だけだったのかもしれない。雌雄とか人懐こさとか、余計な判断材料がないのが却って良かった。

 

しばらくして、次女と三女と嫁が練習から帰ってきた。

次女が恐る恐る「お父ちゃん、お願いがあるんやけど、ネコ・・・」と言い出したのを遮って「ええよ。二匹とも飼おうや」と言った。

次女は仰天していた。実はこの2年前まで雌のシーズー犬を飼っていたので、なんとなく口にすることはなかったが、俺も元来はゴリゴリの猫派だ。生まれたときから犬がいる生活だった次女は、両親とも犬派だと思い込んでおり、相当ハードな交渉を覚悟していたようだ。

 

こうして、二匹の猫が家に来た。

次女の献身的なお世話のおかげか、ありがたいことにスクスク育ち、なかなかの毛並の美男美女になった。

 

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一匹より二匹のほうが飼うのに二倍大変かというと、どうなのだろうか。

もちろん、餌代や去勢費用など金銭的には倍必要だけど、金銭的なこと以外は一匹も二匹も、そう変わらないように思う。

壁などへのダメージも、二匹でじゃれあってストレスを解消するためか、比較的おイタは少ないほうなのではないか(そう、思うようにしている)。

 

なにより、二匹いることの楽しさのほうが圧倒的に大きい。あのときどちらか選んだりしなくて本当に良かったと思っている。

 

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